犬のしつけインストラクター(有資格D.I.N.G.O認定)が、適正テストを行ったのち、自宅にて1~2週間犬を観察をしたうえで、紹介文を書いております。性格、犬種特徴、トレーニング状況、家庭犬適正などを考慮しています。

〔2109P06〕トイ・プードル メス 推定6歳 体重2.04kg 【Fig(フィグ) 日記】トライアル中です♪

2021.10.20

Fig.jpg

繁殖場からのレスキューです。

推定6歳、体重約2.0kgの小さな女の子です。
人間でいえばそろそろ中年ですが、クリクリお目目と転がるように遊ぶ姿はまるで仔犬のようです。
保護時の初期医療で乳腺にしこりが2つ見つかり避妊手術と合わせ切除しています(病理検査結果は悪いものではありませんでした。)。
また、歯周病もあり、12本抜歯しています。
軽度ですか左後肢にパテラもあります。


これまで繁殖犬として限られた環境の中で、外の世界や人に会うこともなく、不本意な生活を強いられてきたせいか、人間に対しては極度のトラウマがあるようです。恐怖感や不信感に加え、新しい環境や人に対し緊張状態にあり、最初の頃は抱っこや触られたりすると、目を見開いて口も開いてハアハアが止まらなかったです。

保護されてから約1ヶ月、こちらで預かって2週間。
預かる前からの情報もあり、クレート、サークルからなかなか出てこない、人の方には寄って来ないというのは想定していました。

預かり当初から予想外だったのは、こちらには現在先住犬のトイプードル2頭と預かり犬のトイプードル1頭がおりまして、犬同士の間ではとても活発に動き、表情も生き生きとしてしていることです。
元々、繁殖場ではたくさんの小型犬たちと一緒だったからだと思われます。
犬同士でじゃれあったり、かまってかまってと他犬に甘えたりアピールする姿は本当に無邪気で可愛くて見ているだけで微笑ましく癒されます。

この姿のまま、人間に対しても接してくれるとどんなにか楽しいかと思います。
が、人間が近づいたり、一定以上の距離に気配があるとクレートに走り込んでいきます。

食欲はあり、朝晩の食事時になると、準備の音に大きな声で「ワンワン!」と吠えて催促とアピールをします。この時だけ、サークルからキッチン近くまで遠征してきたり、一日でいちばんイキイキしている時間です。

食事は、歯が少なく、食べ疲れてしまうみたいでドライのままだと残しがちだったので、少しふやかしてみるとスムーズに完食しています。
おやつなども、クレート前に置いておくと顔を出して食べています。まだ手から直接は食べません。

大体、朝晩の食事前後に犬同士でワイワイ遊んだりするハッピーアワーがあり、そのタイミングで排泄もしています。

排泄は大小トイレエリアでほぼ出来ていますが、たまに違う場所でしてしまうこともあります。いまのところ、成功率80%くらいです。
回数も少なく、大は朝晩の2回、小は朝晩の2回の他2〜3回くらいで、人目のないタイミングにすることが多いですし、人間側もそのタイミングでなんとなく身を隠してそっと待っているようにしています。寝る前にうまくタイミングが取れなかったときや、留守番時はサークル内のシートでしていることもあります。食糞はありません。

散歩はまだです。
バッグに入れて他犬の散歩に同行しながら、外の世界に慣れてもらっているところです。バッグ内ではハアハアもあまり無く落ち着いていられます。

留守番はサークルで出来ます。
サークルは施錠、サークル内においたクレートで長時間でも大丈夫ではあります。
(サークル内のシートに排泄はあり。)


とにかく人が苦手なので必要最小限=食事、排泄、掃除などのお世話をしながら、過剰にかまうことなく、一方的ではありますが話しかけなどをして穏やかに接しています。いまのところまだ自分から人間の方にくることはないのですが、最初の頃よりは近づく距離も縮まり、触ったり抱っこしたりしても逃げたりはせず、その場でとどまってくれます。

また、同じ空間にいても背を向けていたり、離れたところに座っているのは大丈夫で、クレートからひょこっと出てきて、トイレをしたり、他犬のところへ行ったり、動き回ったりはしゃいだりできます。
視線を合わせるのがダメなようで、目が合うとクレートへ入ってしまいます。

いまのところクレートが安心できる場所で、放っておくと食事とトイレ以外引きこもってしまうので、夜、家族が寛ぐ数時間はクレートの屋根取り外しタイムを設けて少しの間抱っこをしたり、人との接触を図っています。抱っこから下ろすと、すぐ他犬のいるベッドに避難してしまいますが。

日常のケア、歯磨きやシャンプーやブラッシング、カットなども、やり始めてしまえば緊張しつつもあきらめてやらせてくれます。
今は必要以上には無理せず、できるときに少しずつやっています。

現段階では、フィグちゃんがひとに対して心を開いてくれるまでにはかなり時間がかかるのと、心許せる同じくらいの小型犬の存在が大変重要だと思います。

今は人懐っこく甘えん坊な子ではありませんし、撫でたり抱っこしたり色々なことをしてあげたい、一緒に遊びたい、散歩をしたい、といったことは最初からは望めません。

頼りになる相性の良い同居犬がいるご家庭、過剰にかまいすぎずフィグちゃんの気持ちを尊重し、ほどよい距離感を持って見守ってくださる大人のご家庭がこの子にとってストレス少なく過ごせるかと思います。

一日中でもサークルで過ごせるのでお留守番も可能ではありますが、出来ればお留守の少ないご家庭で、環境に慣れるまではじっくりと向き合い、性格を理解し、少しずつ距離を縮めていただけるご家族様を希望します。
身体も小さく、心も繊細で扱いには気をつけなければなりませんので飼育初心者、小さなお子様、高齢の方のみのご家庭には難しいと思います。

時間はかかると思いますが、徐々に心を開いてくれる時がくるはずです。フィグちゃんが楽しそうに犬同士遊んでいるのを遠巻きに見守りながら、焦らず無理せずのんびりと、いつか近くにきてくれたらいいや、というくらいの気持ちで接してくださるご家族様を希望します。


☆日々の様子は Dog Shelter のfecebookで☆ Dog Shelter


※短期間のうちに数回の生活環境変化を経験する犬は保護預かり先にて生活に慣れ、愛情を受け、落ち着いてくると、環境変化当初は出せていなかったもともと持っている性格やクセが出てくることがあります。応募の前に「預かり日記」、紹介文の更新をご覧になっていただき、最近の生活様子や性格面のを再確認していただくと、ご家族の生活スタイル、家族構成やご家族のタイプ、住環境に希望の犬が向いているか否か、相性判断の材料になります。

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