保護センターから引き出した犬達はトリミング、医療行為を終えた後に
トレーニングスタッフ宅で観察されてから一時預かりさん宅にて新しいご縁を待ちます。
保護犬は以前の生活環境、性格などの情報が分からないことがほとんどのため、
名前も分かりません。
里親さんが決まるまでの仮の名前は一時預かりさんに決めてもらうのですが、
里親さんに正式になっていただくときにご家族によく聞かれる質問がこれ。
「預かりさん宅で慣れ親しんで呼ばれていた名前から、
また名前が変わってしまったら犬にはストレスになるんじゃないでしょうか?」
保護された犬は短期間のうちに生活環境が何度も変わるため、
少なくはないストレスが掛かっているので環境の変化に加え、名前まで変わったら・・・
とお考えになる里親さんもいらっしゃいます。
犬って過去のことを記憶してはいても、そのことで思い悩んだり、考えたり、
過去と今を比べたりはしない動物なのです。
「前の家庭では鳥のササミがでてきたのになぁ」とか、
「以前の家族は元気にしているのかなぁ」という風に考えることはなくて、
名前も、
「前は○○って呼ばれてたのに、何故今は□□なんだろ??」なんて考えたりはしないんです。
新しい名前を呼ばれたときに、楽しいこと(撫でてもらえる、ご飯やおやつがもらえる、遊んでくれる、散歩に行けるなど)が一緒にあれば、新しい名前を呼ばれることは嬉しいこととしてすぐに受け入れてくれるんです。
今が楽しく、過ごせていれば、
預かりさん宅で呼ばれていた名前でも、
里親さんにつけてもらった名前でも犬にとってはどちらも嬉しいことに変わりはないですよね。
だって名前が変わったことを思い悩んでいたらこんな顔見せてくれないでしょ。
こぼれ話。
預かりさんによって名前の付け方はバラバラで、
暑い時期に来たから「アッチ」、
預かり始めた時期が、北京オリンピックの真っ最中で水泳の北島康介選手が
金メダルを獲ったときだったので、「康介」
預かりさんが好きな芸能人の名前を取って、「斗真」
などなど、スタッフは結構一人で笑わせてもらってます。
そうそう、「アッチ」と付けたご主人に対して奥様が一言、
「寒い時期にきたらサムなの?」って・・・これも笑いました。